お気に入りの香水が2本あって、その日の気分で混ぜてみたい。でも、つける順番や量がわからなくて、結局いつもの1本に戻ってしまう。そんな人も多いはずです。
香りを重ねる楽しみ方は、ブランド側からの提案も増えています。ジョー マローン ロンドンは香りを重ねることをブランドの考え方の中心に置き、メゾン マルジェラは「レプリカ」同士の公式の組み合わせを紹介しています。秋は甘さや温かみのある香りが増える季節なので、手持ちの軽い香りに1本足すだけでも印象が変わります。
この記事では、香水の重ね付けのやり方を、順番・場所・組み合わせ方の3つに分けて解説します。組み合わせ方は、MARUMIEらしく色の配色にたとえて整理しました。後半では2026年秋に試したい6アイテムも紹介。価格・発売日は2026年10月15日時点の各ブランドの公式発表によるもので、価格はすべて税込です。
香水の重ね付けとは?「レイヤリング」の基本
香水の重ね付けは、2種類以上の香りを組み合わせて、1本では出せない香りを作る楽しみ方です。英語では「レイヤリング」と呼ばれます。
重ねるものは香水どうしに限りません。ジョー マローン ロンドンの香りの重ね方では、ボディ用の洗浄料やボディクリームで1つめの香りをのせてから、別のコロンを重ねる方法も紹介されています。まずは2種類から始めること、決まったルールはないこともあわせて案内されています。
注目したいのは、香りは混ぜると、単純な足し算どおりにはならない場合があること。既存のデータを再解析した2003年の研究では、香りを肌にとどめる成分(保留剤)が入っているかどうかで、肌からの蒸発の仕方そのものが変わったと報告されています。重ねた香りが時間とともにどう変わるかは、実際に肌で試してみるまでわからない部分があります。
重ね付けのやり方|順番は「残りやすい香りから」が目安
いちばん迷うのが、つける順番です。ジョー マローン ロンドンも案内しているとおり、重ね付けに決まったルールはありません。そのうえでMARUMIE編集部がはじめての人におすすめしているのは、長く残る重い香りを先に、すぐ広がる軽い香りを後につける順番です。
- 1本め:ウッディ、アンバー、バニラなど、重くて長く残る香り
- 2本め:シトラス、ハーブ、軽いフローラルなど、軽くてすぐ広がる香り
重い香りを土台にして、軽い香りを上にのせると、つけたてはさわやかに、時間がたつと温かみが残る流れになります。一方、資生堂の重ね付けのコラムでは、明るい香りを土台にして、深みのある香りを少量足す形を基本として紹介しています。正解は1つではないので、両方を試して好みの流れを探してみてください。
香りの変化にも目安があります。SHIROの香りの解説では、トップノートは10〜30分、ミドルノートは1〜2時間、ラストノートは2時間以降が目安とされています。2本めをつけるのは、1本めのつけたての強い香りが落ち着いてからにすると、2つの香りの境目がなじみやすくなります。
つける場所を分ける|同じ場所に重ねない方法も
順番と同じくらい大切なのが、つける場所です。重ね付けには、同じ場所に重ねる方法と、場所を分ける方法の2つがあります。
- 同じ場所に重ねる:2つの香りが混ざり合い、新しい1つの香りになる
- 場所を分ける:重い香りは下半身、軽い香りは上半身に。動くたびに2つの香りが順番に届く
資生堂の重ね付けのコラムでは、つける場所を変えて重ねることを基本としています。いきなり肌につけずに、先に紙で組み合わせを試す方法も紹介されています。
はじめての組み合わせなら、場所を分ける方法がおすすめ。香りが混ざりすぎないので、失敗しても印象が強くなりすぎません。香水が下から上に立ちのぼる仕組みや、ふんわり香らせる場所については、香水をつける場所はどこ?ふんわり香らせる3つの基準の記事で詳しくまとめています。
MARUMIEの色彩視点:組み合わせは「配色」で考える
どの香りとどの香りを合わせるかは、色の配色と同じ考え方で選ぶとわかりやすくなります。匂いと色の結びつきを調べた2014年の国際研究では、同じ文化圏の人どうしでは、ある匂いに選ぶ色が一貫していたと報告されています。香りを色に置きかえて考えるのは、多くの人にとって自然な発想です。ただし、どの香りにどの色を思い浮かべるかは、文化によって違いがあることもわかっています。
MARUMIE編集部では、重ね付けの組み合わせを次の3タイプに分けています。
- 同系色型(トーン・オン・トーン):同じ香りのボディミルクと香水を重ねる。同じ色の濃淡で塗るように、香りに深みと厚みが出る
- 類似色型:バニラとアンバー、ローズとピオニーのように、共通点のある香りどうしを合わせる。色相環で隣り合う色のように、なじみやすく失敗が少ない
- 補色型:ウッディにシトラスのように、反対の系統を少しだけ足す。補色のアクセントのように、メリハリが出る
はじめての人は同系色型から、慣れてきたら類似色型、最後に補色型へ進むのがMARUMIE流です。補色型は片方を少量にとどめるのがコツ。色でもアクセントカラーは面積を小さくするほうがまとまるのと同じ考え方です。なお、この3タイプは配色の考え方を香りに当てはめたMARUMIE編集部の整理です。

MARUMIE的・重ね付けで失敗しない3つの基準
基準1:最初は2種類・少量から
香りは数を増やすほど、何がどう混ざっているのかがわからなくなります。まずは2種類、どちらも普段より少ない量から始めるのが安心です。ジョー マローン ロンドンも、最初は2種類からと案内しています。
基準2:自分の鼻が慣れることを前提にする
嗅覚の研究では、同じ香りにくり返しさらされると、香りの強さを感知しにくくなることが報告されています。自分では香りが消えたようでも、周りにはまだ届いていることがあります。「匂わなくなったから足す」をくり返すと、つけすぎになりやすいので注意してください。
基準3:濃度の表示で量を調整する
香水の濃度の呼び方は、法律で決まっているわけではありません。武蔵野ワークスの解説では、オードパルファンは10〜15%、オードトワレは5〜10%、オーデコロンは1〜5%が目安とされています。持続時間の目安は、SHIROではオードパルファンが約5〜6時間、オードトワレが約3〜4時間、コロンが約1〜2時間。濃度の高いものどうしを重ねるときは、片方を1プッシュに減らすとバランスがとりやすくなります。
重ね付けを試したい2026年秋の香り6選
ここからは、重ね付けに使いやすい香りを3つの価格帯で紹介します。どのタイプの組み合わせに向いているかも書いているので、手持ちの香りと合わせて選んでみてください。
5,000円以下で試せるプチプラ3選
SHIRO「ホワイト オードパルファン」
SHIROのホワイト オードパルファンは、40mLで4,180円。毎年数量限定で登場する香りとして、2026年10月23日に発売されます(会員向けの先行予約は10月15日から)。軽くて清潔な香りは、重い香りの上にのせる2本めとして使いやすく、類似色型や補色型の「上の香り」に向いています。

ジルスチュアート「ネクターピーチ オードトワレ」
ジルスチュアートのネクターピーチ オードトワレは、50mLで4,400円の限定品。2026年10月2日に発売されました。同じ香りのボディミルク(250mL・3,520円)も同時に発売されているので、ボディミルクで土台を作ってからオードトワレを重ねる同系色型にぴったりです。

ラリン「Fire Roasted Vanilla ボディミスト」
ラリンのFire Roasted Vanilla ボディミストは、100mLで4,290円。ホリデー限定コレクションとして、2026年10月30日に発売されます。同じ香りのシマリングボディクリーム(200mL・4,620円)もあり、バニラの甘さは重ね付けの土台にする1本めとして使えます。

5,000〜15,000円で選ぶ2選
ジョー マローン ロンドン「セント レイヤリング キット」
ジョー マローン ロンドンのセント レイヤリング キットは、9mLのコロン3本のセットで9,130円。グレープフルーツ、イングリッシュ オーク & ヘーゼルナッツ、ピオニー & ブラッシュ スエードの3つの香りが入っています。軽いシトラスと重いウッディが1つのセットにそろうので、補色型の組み合わせを少量ずつ試せます。
メゾン マルジェラ「レプリカ オードトワレ バイ ザ ファイヤープレイス」
メゾン マルジェラのレプリカ オードトワレ バイ ザ ファイヤープレイスは、30mLで12,210円(10mLは5,500円、100mLは24,970円)。暖炉と栗をイメージしたウッディ アンバーの香りで、バニラのラストノートが残ります。公式の組み合わせでは、ビーチ ウォークと重ねる「コースタル キャンプファイヤー」が紹介されています。メゾン マルジェラの重ね付けの提案は、香りのレイヤリング新提案のNEWSでも紹介しています。
15,000円以上の特別な1本
MAGMANIA「EAU DE PARFUM」
MAGMANIAのEAU DE PARFUMは、SHEER HERB、EPOQUE SAVON、FOXY SUEDEの3つの香り。50mLで19,800円、2026年10月1日に発売されました。2mL(1,650円)のサイズもあるので、重ね付けの相性を少量で確かめてから、気に入った香りを選べます✨

重ね付けの前に知っておきたいこと
保湿してからつけると香りが長持ちしやすい
ジョー マローン ロンドンのつけ方の案内では、保湿した肌は香りをのせるなめらかな土台になり、香りが長持ちするとされています。肌から15〜20cmほど離してスプレーし、こすらないのがポイント。香りの持ち方には個人差があります。
周りへの配慮
重ね付けは、1本だけのときより香りが強くなりがちです。消費者庁など7つの府省庁は、「その香り困っている人もいます」という啓発ポスターで、香りの感じ方には個人差があることを伝えています。電車やオフィスに出かける日は、場所を分ける方法で、量を控えめにするのがおすすめです🌿
よくある質問
Q. 香水の重ね付けは、どちらを先につけますか?
A. 決まったルールはありません。はじめてなら、長く残る重い香りを先、軽い香りを後にするのがMARUMIE編集部のおすすめです。ウッディやバニラを土台に、シトラスや軽いフローラルを上にのせると、つけたてはさわやかに、時間がたつと温かみが残ります。
Q. 違うブランドの香水どうしでも重ね付けできますか?
A. できます。ブランドをそろえる必要はありません。バニラとアンバーのように共通点のある香りどうしを選ぶと、なじみやすくなります。最初は紙で試してから肌につけると安心です。
Q. 重ね付けをすると、香りが強くなりすぎませんか?
A. 2本とも普段どおりの量でつけると強くなりやすいです。片方を1プッシュにしたり、上半身と下半身に場所を分けたりすると、香りの強さを調整できます。
Q. ボディミストと香水も重ね付けできますか?
A. できます。同じ香りのボディミストやボディクリームで土台を作ってから香水を重ねると、香りに深みが出ます。ジルスチュアートやラリンのように、同じ香りのボディ用品がそろうシリーズは重ね付けを始めやすいアイテムです。
まとめ
- 香水の重ね付けに決まったルールはない。はじめては「重い香りが先、軽い香りが後」、場所を分けると失敗しにくい
- 組み合わせは、同系色型・類似色型・補色型の3タイプで考えると選びやすい。はじめては同じ香りのボディ用品と香水から
- 自分の鼻は香りに慣れるので、足しすぎに注意。最初は2種類・少量から。秋らしい香りをもう1本探すなら、金木犀の香水おすすめ9選や、メゾン マルジェラの東京限定フレグランスのNEWSもチェックしてみてください。自分だけの香りの組み合わせが見つかりますように💐



